卒業生インタビュー

卒業生たちの「その後」のストーリーを紹介します

継続していく『人との出会い』。食を通じたまちの魅力の発信。

樋浦 幸彦 さん
在籍期間 2013年〜2016年

1977年生まれ、燕市出身。 800年続く農家の27代目。一笑百姓ひうら農場代表。 「食べる人のこと、環境のこと、次世代のこと」を考え、家族とともに奮闘中。無農薬栽培コシヒカリでは、手作業で雑草を抜くほどの丁寧な農業者である。 つばめ若者会議では、スタート時の2013年から4年間在籍し、マップチームに所属。チーム活動の他、自ら若者会議の運営を行うなど中心メンバーとして活躍した。

つながりができて視野が広がった。


-樋浦さんがつばめ若者会議に入った理由は?

燕市内の20~40代で農業をやっている人が20人位しかいない中で、「燕市の未来を考える」といって始まろうとしていたつばめ若者会議に、農業関係者が誰も出ないだろうと思ったんです。
だから、自分がとりあえず行こうと。自分は、どんな場合でも1回は話を聞いてみるというスタンスなんです。

-実際にメンバーとして活動してみてどうでしたか?

若者会議に入ってみたら、普段の仕事や生活をしていたらなかなか出会うことができない人と出会い、今まで考えてなかったことに対して意識するようになった。それが今でも活かされていると思っていて、当時できたつながりがどんどん広がり、今現在の活動や取組につながっているんです。まちのことがより自分ごとになり、人がやっていることをただ見ているのではなく、自分達で何かアクションをしなければいけない使命感が芽生えたというか。
ただ、まちづくりって答えがないから、やりながらじゃないとわからない部分が多くて、答えが無い議論を繰り返しすることが大変でした。でも、新しいことをやるのは面白いし、まっさらな状態からやることに対して、やりがいはとてもありました。DSC_0161

-活動期間はどのような活動をしましたか?

プロジェクトは、マップチームに所属していました。
NTTタウンページとのコラボ企画で、「燕市民が燕の良いもの、良いところを知らない。知らないことにさえ気づいていないのではないか?市民のみなさんに燕のことをもっと知ってもらいたい」という思いから、ツバメギフトマップを制作しました。それ以外にも2015年に開催した今宵サミットIN燕のイベント企画もやりました。自分は、燕市の吉田地区出身なんですけど、活動を通じて出身でない地域のことも詳しくなり視野が広がったかなと。
また、若者会議のスタート時に関わっていたstudio-Lのワークショップで地域をリサーチしながら、活動を考えるという方法は勉強になったし知識がものすごくついたと思います。そういったベースとなる部分がまちづくりを始めるうえですごく大切だと思うので、ベビーステップの構築を当時はやりたいなと思っていました。実現できませんでしたが…(笑)
でも、今は燕ジョイ活動部がその役割を果たしているのかなと。卒業生として若い子を応援したいし、きっかけがあれば関わっていきたいと思います。

食を通じた地域の魅力発信を。


-卒業後の活動はどんなことをしましたか?

自分が作っている本町きゅうりが燕市の特産物というところもあるので、何かお役にたてないか常に考えていました。市内の飲食店の方とつながり、燕三条工場の祭典のレセプションパーティー「燕若獅子の饗宴*」に携わらせてもらいました。
その後、様々な飲食関係の方とつながり、もとまちきゅうり普及委員会を飲食関係者と発足し、もとまちきゅうりハイボールを開発して、市内の飲食店で提供を始めました。
自分が生産している農産物の出荷数を増やしたいとか、そういう思いではなくて、市内の飲食店とか企業を盛り上げていきたいという思いが強かったです。

-現在はどんな活動をしていますか?

普及委員会の活動をするなかで、多くの飲食店や企業とつながり、もとまちきゅうりに留まらない、燕ならではの食文化の発信を目的に「TSUBAME×ACTIONS(ツバメクロスアクションズ)*」を設立しました。マッチングや商品開発などいろんなジャンルが掛け合わさって、「やりたいこと」を「できること」に変えていけるようなことができる取組にしていければと考えています。67882668_1129948017198050_9178148835841540096_n

  • 燕若獅子の饗宴
    2017年に開催された燕三条工場の祭典の公式レセプションの1つ。燕市の食材、調理器具、洋食器を使った農商工連携イベントで、燕市出身の若手シェフが努めた「オール燕」のディナーフルコースを楽しむパーティー型のイベント。
  • TSUBAME×ACTIONS(ツバメクロスアクションズ)
    市内飲食店、農家、企業などの異業種同士が協働しながら、農業と工業が料理を通じて一つになる伝統的な燕独自の文化を、広く発信し、未来へとつなげていく活動行っている組織。

-新たなことにチャレンジをしている樋浦さんですが、活動のコツは?

新しいことを始めたり、新しい人と出会うことはとてもパワーがいるし、一人でやることはとても難しいと思っています。同じ方向の人と一緒になってやる、仲間をつくる、仲間を集めることが大切で、若者会議のような、色んな人がいる中に積極的に入っていくことが重要じゃないかなって感じます。
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食でまちを活性化したい。


-最後に、樋浦さんの今後の抱負をお聞かせください。

現在、燕市内の専業農家が200軒位で、高齢化率も高い状況です。
10年後がどうなるのか、しっかりと考えていかなければいけない。考えるというよりも、何かやらなくてはいけないという危機感が強いです。ライフワーク的に色んなことをしていかなければと思うし、個人だけでなく、これからもつながりの輪を大切に、そして広めながら、人材育成・まちの人と一緒になりながら色んなことをやりたいですね。
まずは、今の活動を軌道に乗せて、食でまちをもっと活性化したいと思います。09-04

(取材:つばめ若者会議事務局/燕ジョイ活動部メンバー)

 

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