7月からスタートしてきた渡辺スクールの28年度の締めくくりとして
クロージングフォーラムを開催いたしました。
渡辺さんには一緒に燕・吉田・分水地区を周り、懇親会をかさね
すてきな講師の方々との出会いを企画していただき
一年を通して深く関わっていただきました。
時代の潮流と住まい・まちづくりの課題
「つばめの可能性」を探り、未来に向けたプロジェクトの提案
が行われ、みんなで意見交換を行いました。
大地の芸術祭の仕掛人としての渡辺さんとの出会いから想像するものは
私たちにも何か大きな事をするのかもしれないという期待と
ほぼ月に一度ずつ各地域でご活躍される方々も地名を上げればそのプロジェクトが
頭に浮かぶような有名なものでしたので
ますます私たちに何かできるかもしれないという思いが強まり
その浮き足立ったわくわくする気持ちと
もう一つ何か底を流れるようなものを感じていたように思います。
今回のクロージングの中で渡辺さんがお話の中で印象的だったことは
宇宙船地球号の話を通して、地球が有限であるという発見を教えてくれたことでした。
物質的な豊かさから精神の豊かさへの転換期だということも強く共感しました。
不思議なもので、私たちの命は有限なのに、欲求は無限のようです。
私は、今も春はどんな服を買おうかな?とうかれていますし。
きっとその服を買ったとしたら今度は、また違うものを買いたいなと思うでしょう。
お金も時間も命も有限なのに、物質への欲求は無限に続いていくようで
このちぐはぐさといったら・・・。
とはいえ、やっぱり物質的な豊かさでは満たされないということを
生意気にも感じてはいるわけです。
この冬、新潟にもターシャ・テューダー展が開催されました。
ターシャの実際に来ていた服の展示やミツロウキャンドル、生活で使われていた銅の鍋など様々なものを見ることができました。そこでみたドレスなどよく見ると縫い目のチクチク感がウエストの切り返しのプリーツ部分や襟元などによく見られました。ミツロウキャンドルも精製されたキレイなミツロウというよりも、不純物の混じったキャンドルでした。
私はどんなにキレイな美しいものが展示してあるのだろうと想像していたので
実物を見ておどろきました。
「喜びは創りだすもの」というターシャの言葉に感動しました。
祖母が作ってくれた浴衣の縫い目や手縫いの雑巾
展示されていたターシャの世界は、文化の違いはあるものの
実は祖母と生活していた時に私の周りにあったものでした。
内部がどんどん外部へと移行すると共に喜びも手放してしまったように思いました。
また一つ一つ自分の内へとたぐり寄せながら喜びも一緒に連れて来てくれる気がする。
外部化してしまったことはなんだろう?
子どものこと。家のこと。食べ物のこと。衣類のこと。
些細なことからひとつずつ
たぐり寄せてみようかなと思いました。
こんな私の心境の変化をこの場で発信するのも
大変恐縮ですが、渡辺スクールの中で私は自分のルーツを見つけたように思います。
本当に嬉しい事に渡辺さんからまた来年度へのご提案を頂き
渡辺スクールを来年度も開催して行きます。
つばめの学校に出席する人がまちづくりのプロジェクトを実行することよりも
(もちろん何かプロジェクトへと進展して行くことはすばらしいことですが。)
「ここに来たいからここに来る」という場所となり、1人1人の個の生活の充実の機会の場と
ますことを今は願っています。
長くなりましたが
ご出席していただいた皆さんありがとうございました。
渡辺さん、ありがとうございました。
和やかの雰囲気で授業を開催できることができました。
会場の提供をしていただきましたツバメコーヒーさんありがとうございました。
来年度もつばめの学校をよろしくお願いいたします。
(深海)